作成:田谷昌仁 (mail: masanoritatani (a) gmail.com)
このプロトコルでは、DNA抽出が完了している状態からメタバーコーディングのライブラリ調製を行う際の手順をまとめる。
DNA抽出や精製の手法、メタバーコーディングの詳しい原理、配列解析については別ドキュメントに記載する。
事後的にコンタミ由来配列を取り除くため、20サンプル以上のブランクを設定する必要がある。フィールドでのサンプリング時に設定するのが最初期からのコンタミを取り除くことができるため最適である。ない場合は抽出、または1st PCRの段階から20サンプルのブランクを設定する。
1プレート(96サンプル)分のメタバーコーディングのライブラリ調製のために必要な消耗品の最小量は以下の通り。事前に購入しておく。
消耗品 | 数量 |
---|---|
フィルターチップ200µl | 6プレート |
フィルターチップ10µl | 5プレート |
8連PCRチューブ | 6プレート |
PCR酵素 | 0.4パック |
AMPure XP | 1.2ml |
目的領域をまんべんなく全てのサンプルから増幅できるようなPCRの条件や鋳型DNAの希釈濃度、サイクル条件を模索する。詳細については別ドキュメントに記載。
テストで最も成績の良かったプロトコルを使ってPCRする。
PCRレプリケートを3つ作成するため、サンプル数の3倍数の8連PCRチューブを用意する。
以下の分量に従って、各領域、各サンプルでそれぞれ3倍量のPCR Mixを作成する。分注時にロスが出るため、少し(0.5–1サンプル分)多めに作ると良い。
KOD FX neo | Volume (µl / sample) |
---|---|
2x Buffer for KOD FX neo | 5.0 |
2mM dNTP | 2.0 |
10µM Primer Forward | 0.3 |
10µM Primer Reverse | 0.3 |
KOD FX neo | 0.2 |
Milli-Q | 1.2 |
Total | 9.0 |
KOD One | Volume (µl / sample) |
---|---|
KOD One PCR Master Mix | 5.0 |
10µM Primer Forward | 0.3 |
10µM Primer Reverse | 0.3 |
Milli-Q | 3.4 |
Total | 9.0 |
KOD One(プライマー増量) | Volume (µl / sample) |
---|---|
KOD One PCR Master Mix | 5.0 |
10µM Primer Forward | 1.0 |
10µM Primer Reverse | 1.0 |
Milli-Q | 2.0 |
Total | 9.0 |
作成したPCR Mixを、8連チューブに9µlずつ分注する。
同じ抽出DNAを3つの8連チューブに1µlずつ分注する。
蓋を閉めてタッピングしてよく混ぜ、スピンダウンする。
サイクルを設定したサーマルサイクラーに入れ、PCRスタート。